街はクリスマス一色になってきています。通りには煌めくイルミネーションが灯り、街の中心部にあるマルシェ・ド・ノエルやスーパーなどのお店のBGMにクリスマスソングが流れています。。この時期になると、音楽教師としてだけでなく、一人の音楽愛好家としても、クリスマスソングの美しさに心を奪われてしまいます。そこで今回は、私の好きなフランスのクリスマスソングについてお話ししたいと思います。


音楽とキリスト教の深い結びつき

音楽とキリスト教は切っても切り離せない関係にあります。例えば、聖書にはキリスト生誕の瞬間にも天使たちが歌を歌ったという記述があります。それだけではなく、多くの賛美歌や聖歌が祈りとともに生まれ、時代を超えて歌い継がれてきました。グレゴリオ聖歌はその典型的な例です。

フランスでも、この伝統は根強く息づいています。例えば、「神の子が生まれた(Il est né le divin enfant)」というカトリック教会で歌われる曲には、「歌いましょう」というフレーズが登場します。この言葉には、神への感謝と喜びを歌に託すというキリスト教音楽の核心が表現されています。

この曲はカトリック系小学校に通う私の息子たちが毎年歌っていたものですが、宗教色があることもあり、無宗教を徹底している公立校では歌われていないはずです。また街中で流れることも少ないものです。

私がこのメロディーに出会ったのは中学時代。カトリック系私立校のクラブ活動でした。その時に歌ったミサ曲に、この歌のメロディーを使ったものがあったのです。その曲の詳細については当時は調べられず、今では情報も手元にないのでわからないのですが、メロディーとミサ曲の歌詞は今でも覚えています。元気が出るメロディーだったので、印象に残っています。


フランスのクリスマス音楽の魅力 ~「Petit Papa Noël」~

フランスのクリスマスソングを語るうえで外せない曲のひとつに、「Petit Papa Noël(プチ・パパ・ノエル)」があります。この曲はフランスに住む人なら一度は絶対に聴いているというクリスマスソングです。Tino Rossi が映画の中で歌ったのが最初で、タイトルは直訳すれば「サンタクロースのおじいちゃん」といったところでしょうか。

この曲は、子どもたちの無垢な心を象徴するような歌詞と、優しいメロディーで知られています。歌詞では、子どもがサンタクロースにお願いをする純粋な気持ちが描かれ、クリスマスの魔法のような温かさを感じさせてくれます。

私がフランス語を勉強し始めた年の12月、先生がクリスマスソングがいくつか入ったカセットテープ(時代を感じますね😅)をダビングしてくださって、この Petit Papa Noël のサビを覚えて歌うということをしました。他のクリスマスソングも美しいと思いましたが、この曲だけは、当時歌った情景を30年以上経つ今でも思い出します。

Petit Papa Noël は、宗教的な要素よりも家族愛や子どもたちの夢を描いていますが、これもまたクリスマスの精神を表現する大切な側面です。こうした曲を教室で取り上げることで、キリスト教的背景とともに、現代的なクリスマスの喜びも伝えることができます。


あなたもフランスのクリスマス音楽を教室に

このクリスマス、ぜひ「Petit Papa Noël」や「神の子が生まれた(Il est né le divin enfant)」など、フランスのクリスマスソングを取り入れてみてはいかがでしょうか。音楽を通じて、あなた自身や生徒たちの心に灯る「喜びの歌」を広げられることを願っています。これらの曲が、教室や日常をより特別なものにしてくれるはずです。

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