最近、普段家で聴くことがないジャンル、コンサートにいったことのないジャンルのコンサートに立て続けに行きました。

いずれも何らかの形で誘われたから行ったのですが「行って良かった!」というのが率直な感想です。新しい世界が開けました。

聴き慣れたジャンル、よく知っているジャンルをもっと深く聴こうと何回も繰り返し聴くことで、聴く力のベースは育っていきますが、それだけでは本当の聴く力はつかないな、と身につまされました。

音楽を聴く力は様々なジャンルを楽しむことで本当の意味で育っていきます。

私の父は楽器は何も弾かない人でしたが、ベートーヴェンをこよなく愛しそれこそ明けても暮れてもベートーヴェンの交響曲や弦楽四重奏を聴いていた人でした。そんな父がある日、世界名曲全集といった感じの、あらゆるクラシック音楽が集まったCDセットを買ってきました。

「いや、ベートーヴェンばっかり聴いていると、耳が偏ってきてるような気がして」

と言っていました。

父は楽器は弾かないし、音楽の専門の勉強をしていたわけでもない、ただの音楽愛好家です。そんな父は「もっとよく聴けるようになりたい」という思いがあって、名曲全集なるものを購入したのかなと思います。

ピアノを弾く人はオーケストラの作品を聴かないなど、自分の楽器以外の演奏会ってなかなか行かないと思います。管弦の人はもう少しオーケストラの作品を聴くのでしょうが、自分の楽器のソロ作品をよく聴くのはあるあるだと思います。

自省を込めて言います。

自分の演奏する楽器以外の曲、また、ルネサンスから現代曲まで幅広く聴くことで、音楽的な感性はより磨かれます。