音楽的に読めるようになるためのソルフェージュの課題は、音とリズムだけではなく、そこに音楽を表す要素を加えたものになりますが、実際の楽曲を利用してソルフェージュをすることもあります。

 

実際の楽曲を使うということはそもそも演奏音源が実在しているということにもなりますが、作曲家がイメージした音楽をそのまま読むことで音楽演奏にグッと近づけるようなソルフェージュになります。今日はその例をいくつかご紹介します。

 

例えば、モーツァルトのピアノ作品、トルコ行進曲付きソナタの第一楽章のテーマをト長調に移調すれば楽譜を読んだ後に歌いやすくなります。また、この曲では複合拍子特有のリズムを学ぶことができますし、ソルフェージュではありませんが変奏曲やピアノソナタといった作品の学習もできます。発展させればこの曲の第3楽章「トルコ風」の当時のトルコの意味に触れることもできますよね。

 

この曲に使われているリズムが出てくる他の曲を聴いたり、8分の6拍子の曲をいくつか聴いて、この曲のリズムがあるかないかをクイズ形式で当てっこすることもできます。

 

また、ベートーヴェンのピアノ協奏曲2番の第3楽章の一節、これを歌いやすい調に移調して歌う、二声リズムを叩くという活動もできますし、伝バッハ、ペッツォルト作曲のメヌエットを歌いやすくして歌うというのもソルフェージュの学習になります。

うちの長男は、ショパンの前奏曲の一節やワーグナーのオペラの一節を歌う課題として練習したことがあります。

 

楽曲を使うということは、そのまま丸ごと使うのではなく、使えそうな部分を使いやすい形にして使うというものです。特に歌う教材にする場合は声の出せる範囲がありますし、場合によっては部分的に1オクターブ上げ下げすることもあります。

 

そこまでして楽曲を使う理由は?

それはやはり音楽から音楽を学ぶためですよね。

 

ソルフェージュのための課題は、それはそれで必要なものですし、蔑ろにしていいものではありません。ただ、英語の勉強で単語を覚えて文法の練習問題をやっているだけでは英語は上達しません。実際の運用を肌で感じることで英語を英語として学ぶこととなります。

 

音楽も同じです。

 

 

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