今日は、私が聴いて判別できなかったもののお話をします。
ヤナーチェクのヴァイオリンソナタの1楽章を聴きました。作曲者もタイトルも何も知らされず、ただかけられたのです。同じものを3回聴く間に聞き取れたことを書き出すのですが、恥ずかしながらソナタ形式ということに気づきませんでした。
ソナタ形式は、提示部、展開部、再現部の3つの部分に分かれています。提示部で出された2つのテーマを色々展開させるのが展開部なので、展開部にも提示部にあったテーマが出てきます。再現部は色々ヴァリエーションがありますが、典型的な形だと提示部そのままで始まって後半が違うという感じになります。そして、多くの場合は提示部を繰り返します。
この曲を聴いた時、同じものが繰り返されている、3つの部分に分かれている、最初と最後は似ている、2つ目の部分にも、最初の部分のテーマが出てきている、とここまでわかっていました。つまり単なる三部形式ではなくソナタ形式の特徴を掴んでいたのです。
それなのに「ソナタ形式」と気づかなかった。
その時の私の体調(寝不足で頭が今ひとつ働かなかった)のは否定しませんが、それよりも何よりも、ソナタ形式という可能性があるということが頭になかったのが最大の原因です。
つまり、前情報がない初めて聴く楽曲である程度の分析をしようと思ったら、さまざまな可能性を思いつく力が必要ということになります。そういうところまで思いいたれるような習慣というか。
ちなみに、この曲を聴いて時代はほぼ当てられました。20世紀初め頃かな?と思ったらまさにドンピシャリ。ヤナーチェクの作品を聞きなれていないため、作曲家は全くわかりませんでした。そもそもヤナーチェクにヴァイオリンソナタがあるということすら知らなかったような。
私の修行はまだまだ続きます。