私にはコンセルヴァトワールでヴァイオリンをやっている13歳の次男がいます。

9月の末だったでしょうか。オーケストラの授業中にいきなり左の肩が痛くなりヴァイオリンが弾けなくなりました。

特に怪我をしたというわけでもなく、医者のところでリハビリの処方箋をもらって行ったら「成長期で大きくなり過ぎたからだろう」と言われました。成長の速度に身体が馴染むのが追い付かなかったということのようです。今ではだいぶ良くなりました。

ヴァイオリンの先生が厳しい人で痛くて弾けないのを無理に弾かされるかもと恐怖心でいっぱいだった次男のためにレッスンの時には医者からの一筆を持たせました。

レッスンは個人レッスンの持ち時間の倍の2人でのグループレッスンということもあり(コンセルヴァトワールの授業を学校の授業時間帯にやるクラスなので同級生と一緒にレッスンなのです)弾けなくてもレッスンには行っていました。

ヴァイオリンが弾けない次男に先生が指示したのは「弾いているかのように想像してみる」ということでした。具体的に指の動かし方や弓の動かし方を頭で考えてみるということです。「実際に弾くよりも難しいよ」と言われたそうで痛みがだいぶ和らいだ頃に弾いたら「弾く方が簡単」と言いました。

そして、練習してないのに弾けています。少なくとも練習しない期間に衰えるということはありませんでした。

このイメージトレーニングができる力も、聴く力が強く影響しています。もちろん実際に弾いている時にどんな風に身体(腕や指)を使っているかを想像するので、耳だけでできるわけではありませんが、鳴っている音がイメージできないことにはそれに対応する身体の動きは的確にイメージできません。

次男は4歳からコンセルヴァトワールで「聴く力」を伸ばす授業を受けています。そんな積み重ねも、今回のイメージトレーニングの成功に繋がったと考えています。

フォルマシオン・ミュジカルで培った力、さらにはその前のエヴェイユ・ミュジカルでの「聴くアクティビティ」が中心の音楽教育で養われた聴く力は大きくなっていい影響に結びついています。


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