音楽はソロ作品以外は誰かと一緒に演奏するものです。
ピアノはソロ作品が多いので一人で弾くことが多い楽器ということもあり、ピアノ学習者で合奏が苦手な人は多いような印象があります。連弾を経験したり、学校の合唱の伴奏を経験したり、合わせをやってみるチャンスはゼロではありませんが、ピアノはソロが基本。自分だけで、自分のテンポ、リズムで弾けてしまう楽器というのは否めません。
でも、音楽って基本は複数人でやるものではないかなあと思います。そもそも単旋律のグレゴリオ聖歌ですら複数人で歌うものでしたから。
同じ鍵盤楽器でもチェンバロは通奏低音を弾くチャンスがあるということもあり、ピアノよりはアンサンブルの楽器といえます。私が最初に本格的にチェンバロに触れたのは通奏低音の授業でした。
私自身は、身体的な理由もあって積極的に室内楽をやったり伴奏を引き受けたりということはしてきませんでしたが、隙あらば誰かと演奏したい人でした。レッスンで好きだったのはコンチェルトというのもあります。
私自身の経験はちょっと脇に置いて。
フランスのコンセルヴァトワールでは、楽器のレッスンの他にアンサンブルの授業が必修となっています。ピアノをやる子も合唱の授業を受けることでアンサンブルをやっていることとなります。また、フォルマシオン・ミュジカルの授業に楽器を持参して、授業中に簡単な合奏をすることもあります。
このように小さいうちから誰かと演奏する経験を得るということは、音楽の醍醐味を味わうことになりますよね。